なじみの店のよさ(ラーメン屋さんと床屋さんへ)
こんにちは!代表の小澤です。
秋も深まって、冬の訪れを感じさせるような風もだんだんと吹き始めました。
今日は老健で生活されている男性の利用者さんと一緒に、お出かけしてきました。
お姉さんもご一緒です。
いくつか回られたい場所があるとのことで、伺うと下記の通り。
・銀行…記帳をしてきてほしい
・ご自宅…郵便ポストの確認と様子を見たい
・お墓参り…ご自宅のそばにご両親が眠っているお墓にお線香とお花を手向けに行きたい
・お昼ごはん…ラーメンを食べたい
・散髪…以前、自分が通っていた床屋で髪を切りたい
盛沢山のご希望を頂いて出発です!
ちなみに当社は、乗降介助ごとや乗車ごとに複雑にお金がかかることなく、
1時間4,000円という明朗会計なので、何度乗り降りされても追加でお金がかかることはありません!
会社のPRはこれぐらいで(笑)
銀行でご本人は降りずに記帳をし、
ご自宅でポストを確認したあと周りをぐるっと回り、
お墓参りでお墓をきれいにされました。
この方は毎回、外出されるたびに、きちんとお墓をきれいにされておりました。
後日談にはなりますが、お姉さんから伺ったお話では、
以前、この方はご高齢のお母さんと一緒に暮らされており、自宅で最期まで看取ったとのことでした。
お母さん亡き後も、お墓参りをしっかりとされているのは、本当にすごいことだと感じました。
『本当に親孝行の弟だったが、母が亡くなって、
これから自分のために時間をつくれるといったときに、弟自身が病気になってしまったのが、
すごい残念だった』
『だからこそ、病気になった後も、こうやって外出できるのはありがたいし、
弟もいつも楽しみにしている』
ともお姉さんはその時にお話してくださいました。
さて、お墓参りのあとは、お食事の時間です。
今日は、仕事をされていた帰り道に、よく通っていたラーメン屋に行きたいとのこと。
そのラーメン屋とは、皆さんもよくご存じの「日高屋」さんです。
施設に入られていると、なかなかアツアツのラーメンは食べられません。
また、以前よく食べていたものって、誰でもふと食べたくなるものですよね。
ご本人はラーメンと餃子、半チャーハンのセット(ラ・餃・チャ セット‼定番ですね)をご注文。
ご本人は片麻痺があり、また反対の手にも震えがあって、
なかなかご自身で上手にお箸を使えないため、
食事は私が手伝わせて頂きます。
ラーメンを食べたら、餃子を一口。
チャーハンを一口食べたら、ラーメンのスープで口を漱ぐ。
時折、口直しにお水も飲んでいただく。
自分だったらこういう風に食べたいかな、と順番を考えながら、
ご希望をお聞きしていきます。
お手伝いしている間、相手のペースに合わせて、
私は自分の注文した野菜タンメンと唐揚げをほおばります。
これは昔勤めていた施設で習ったことですが、
介助に集中してしまうと、どんどん口に入れてしまい、誤嚥の原因になる。
一緒に食べたほうが、ペースも早すぎることなく、
美味しさや楽しさも感じながら食べることができる、と。
(教えて頂いた主任はお元気でしょうか(笑))
さて、けっこうな量がありましたが、ほぼ完食。
やはり、なじみの、アツアツのラーメンの効果はすごいです。
続いて、車に揺れて20分程、ちょうどお腹でいい具合に消化が始まったころ、
最後の目的地である床屋さんに到着。
こちらも、お仕事をされていたころから、ずっと通っていたなじみの床屋さん。
『お待ちしてました』
とニコニコ(いや、ニヤニヤ)しながら店長さんが近づいてきます。
『よく来てくれました』
と奥さんもお話されます。
車いすからトランスで床屋さんの椅子に移っていただきます。
そこから、床屋さんご夫婦で軽快なやり取りが始まります。
店長さん『今日はどんな風にします?ちょっと偉そうな髪型にしてみましょうか(ニヤニヤ)』
奥さん『でもね、この人は偉いなんてどんなことか分かってないですからね、気を付けてくださいよ』
大きい声があまり出ないので、もっぱら聞き役ですが、
利用者さんもニコニコ(いや、こちらもニヤニヤ)しながら髪を切ってもらっています。
ひげと顔も剃ってもらって、すっきりされたところで、お帰りの時間。
奥さん『また来てくださいね』
店長さん『もう勘弁、なんて言わないでくださいね(ニヤニヤ)』
ご本人も満足そうなご様子で戻られました。
施設の方にお食事の内容などをお伝えして、失礼させて頂きました。
全部で4時間ぐらいの旅。
ありがとうございました。