お世話になった方にお会いしに行く
こんにちは!代表の小澤です。
今日は小中高の入学式。
今年は桜が残りましたね。
ひらひらと舞い散る姿が、名残惜しい。
本日、対応させていただいたお客さま。
とても印象に残りましたのでブログに書かせていただきます。
80歳の男性。膵臓がんの末期。
もともと、大変に仕事熱心な方で、「企業戦士」。
その仕事ぶりを買われ、物流会社の経営を任されたりしていたそうです。
1月中旬に入院して、膵臓がんが発覚し、しかもその時点でかなり進行しているのがわかったそうです。
その以前から調子が悪かったそうではあります。
入院され加療を受けるも、現代医学ではどうしようもないレベル。
体力もだいぶ落ち、ターミナルケアをどこで受けるか相談。
施設の入所が決まった時、ご本人はすごく不満そうだったそうです。
息子さんがどうしたのかと話をよくよく聞いてみたところ、
「自分が勤めていた会社」と「仕事でお世話になった会社」に最後の挨拶に行きたい、と。
ご家族の中では、「そんなことをしたら命が危ない」というご意見もあったそうですが、
医師の許可が出るのであればとお話がまとまったとのこと。
「この数値で、これだけ動けている方は見たことがない」
と言われながら、ご本人の強い希望もあり、医師も許可。
当初はまだ歩けていたので、ご家族の対応で行こうかと話になっていたそうですが、
足のふらつき、気分不快、体の痛みなど、諸々心配な部分も出てきて、
ご自宅を訪問されていた看護師さんにご家族から相談。
訪問看護師さんから当社にお声がかかり、
ご本人お勤めの会社を初日、お世話になった会社をその翌日、
送迎の対応させていただくことになりました。
付き添いはご長男と、訪問看護師さんがされることに。
当日、私が訪問した段階では、おおよその準備が終わり、
最後の上着をお召しになる程度のお手伝い。
足のふらつきがあるものの、ご自身でしっかり立っておられる感じ。
玄関にて靴を履くのをお手伝いし、門先の階段を降りらるのを支えます。
門先にご用意しておいたリクライニング車椅子にお乗りいただき、
乗り込みます。
在宅酸素やクッション、尿器など、看護師さんが持ち込まれ、いざという時のために気分を良くするお薬もご準備されていました。
初日のご自身の会社は車で45分ほど。
二日目のお世話になった会社は車で70分ほど。
両日とも、振動の少ないノアでご案内しました。
揺れが少なくなるよう、スピードとブレーキに細心の注意を払いながら運転しました。
道中、助手席に座られた息子さんから、お父様の仕事のお話、二人で酒を酌み交わした際に語ってくれたこと、東日本大震災の原発事故の真っ只中に「困っているんだから運ぶんだ」と自ら運転して被災地にものを届けたことなど、さまざまなご本人のエピソードを伺いました。
一つ一つのエピソードもさることながら、息子さんがお父様のことを尊敬されていることも感じられ、感じ入るところがありました。
またご本人の気分が悪くなることもあり、ずっと看護師さんが背中をさすってあげたり、クッションの位置を変えたり、リクライニングの角度を調整してくださっており、そのきめ細やかな対応に感銘しました。
ご自身のお勤めになった会社とお世話になった会社、どちらでも多くの方がお見舞いに出てきてくださり、そのお人柄と仕事ぶりが偲ばれました。
何名かの方は涙を流されてお見送りされ、ぐっとくるものがありました。
息子さんと看護師さんのお助けもあり、何とか、両日、無事に終えることができました。
気持ちのこもったお仕事をさせていただき、心より感謝です。
誠実な仕事、信頼できる人柄。
貫く生き方を、私も見習ってまいりたいと思います。