自宅処方
こんにちは、若林です。
梅雨入り前の6月吉日、入所している老人介護施設よりご自宅へ、一時帰宅のご依頼がご家族の方からありました。
当日、お聞きしたご施設にお迎えに行くと、車椅子に乗られた80代のMさんとその娘さん、お孫さんと3世代でお待ちになられていました。
ご本人は不安と緊張の入り混じった表情をされてます。
娘さんとお孫さんは稍々不安な面もちではありますが、Mさんを連れて帰れる嬉しさも見え隠れていました。
弊社福祉車両に皆さん乗車され、2年半ぶりのご自宅に向け出発。
施設から20分程でご自宅に到着。
ご自宅では若々しいご主人と息子さんが門のところで嬉しそうにお出迎えです。
福祉車両のリフトを降りながら自宅周囲を眺めるM子さん。
ご主人、息子さんから優しく「おかえりなさい」の聲に、ご本人の表情も和らぎました。
リフトから降り、車椅子のままご自宅の中に入りました。
住み慣れた家の廊下を通りリビングへ。
リビングに入ると「お庭を見たいわ」と仰り、窓際まで車椅子を誘導しました。
お庭をしみじみと眺めるM子さん。
ヘルパーの私が「あの黄色い花は何ですか?」と尋ねると、「ユリよ」と教えて下さいました。
在宅時は生け花やお茶などの習い事にも精を尽くされていたと聞き、さぞ思い入れがあった事でしょう。
表情の硬さも解れてきたようです。
M子さんが久しぶりの我が家に戻り確かめながら内覧しているうちに、丁度お昼になりました。
M子さん好物のお寿司をご主人が用意されておられ、時間良くもう一人のお孫さんも到着。
2年半ぶりでの家族揃ってのお食事です。
ヘルパーの私のほうでお食事の感じや嚥下の事など、ご家族に確認しながら、キッチン鋏を使って適切に刻み、昼食にはいります。
最初にひとつにぎりを口に入れ、ゆっくり咀嚼される姿を見守りました。
開口一番「おいしいわ!」でも「もうたべられないわ」。
そう一口召し上がって嘆いていらっしゃいました。
しかし、一口食べては「もう無理」を繰り返しながら、粗完食!
お腹も満たされた後、ご家族揃っての談笑タイム。
M子さんも朗らかな口調で、ご自身やご主人との馴れ初めなどご家族のヒストリーをお聴きする事ができました。
お話に傾聴しながらトイレ介助を二度ほどお手伝いし、そうこうしてる間に施設へ帰る時間が来ました。
施設へ帰るまえに、ヘルパーの私のご提案で、ご夫婦とご家族の写真を撮りましょうと言うと皆さんリビングのソファーに集まってもらい、娘さんのスマートフォンで先ずM子さんとご主人の2ショット。
M子さん一時帰宅してからの一番の笑顔でした。
息子さんも娘さんも皆で写真撮るの久しぶり、と喜んでおられました。
楽しい時間はあっという間に終わり、施設へ帰る準備です。
M子さんもご家族も名残惜しく後ろ髪を引かれる思いと察します。
車両に乗り込むと皆さんに手を振られご自宅を後にしました。
娘さんもまた機会をみてお願いしますとお言葉を頂きました。
小澤介護サービスでは、ご家族の機微哀愁の場に立ち合いお手伝いする事が出来ます。
熟練の介護士が多種多様なサポートをしますので、ご要望をお寄せください!

