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ケア付き介護タクシー

高齢者講習の付き添い

少しずつ日も長くなり、今週末付近には春一番が吹くかも、
とニュースでは言っていました。
春が待ち遠しいですね。

さて、今日は少し珍しいご依頼で、
運転免許の「高齢者講習」の付き添いに行ってきました。

施設の職員から当社のサービスを聞いた、
在宅のケアマネさんからご相談を頂きました。

上尾市内にお住まいの80歳男性で、
肺がんによるオペで肺の大部分を切除したため、
ご自身でお持ちの酸素ボンベをつねに持ち歩かなければならない。

また、ご自身で歩行は可能だけれども、
歩いているとお疲れになるため、付き添いが必要とのこと。

意欲があるため、車の運転も諦めたくない。
今回が最後と思うが、教習に行かれたいと思っているとのこと。

事前にケアマネさんにお話を詳しく伺い、
「酸素ボンベを持ち歩きつつ、車椅子での移動を介助する」
という二刀流の介助がメインとなりました。

当日、玄関にてご挨拶。
さっそく酸素ボンベを受取り、車椅子に座って頂きます。

車椅子を両手でつかみながら、酸素ボンベは腕にかけます。
うん、けっこう重いです(笑)
その態勢で当社のタクシーのスロープへ車椅子を押し上げていきます。

そして自動車教習所まで移動します。
ご本人が、講習が大丈夫か不安になりながらも、
少しワクワクされているのが伝わってきます。

さて、到着され、まずは講習が行われる教室へ移動。
少しのどが渇かれるとのことで、
お茶を一本購入してお渡ししました。

まずはテストです。全部で下記三つありました。
(1)時間の見当識…現在の年月日、時間などを当てる
(2)手がかり再生…スライドに映し出された画像を記憶し、思い出す
(3)時計描画…「何時何分」という指示に基づき時計針を記入

(2)などは、若者でも集中しないと難しそうでした。
ご本人もなかなかうまくいかなかったようで、
終了後、一緒に参加されていた方などと話し合われていました。
こういった交流も、講習を参加されていて初めて出来るものです。

さて続いてビデオ上映です。
要約すると、ご自身の身体状況に応じた運転をこころがけましょう
という内容だったと思います。

動体視力、夜間視力の減退や、注意力や集中力、
判断能力、運動能力の低下などは、
お年を召されるとどうしても出てきてしまうことです。

なので、それに応じて、無理なスピードやとっさの判断が必要ないように、
ゆったりとした無理のない計画と運転をしていくということでした。

さて、いよいよ視力検査と実習です。

まずはご本人、バーチャルテストのようなものを受けられ、
指示に合わせてハンドルを切ったり、ブレーキを踏んだりされます。
20分ぐらい続くので、少しお疲れになったようです。

続いて、視力検査。
通常視力、夜間視力、動体視力を検査します。
「うーん、よく見えない」とご本人仰います。
少し焦りも感じられました。

最後に運転講習です。
教官が隣に座り、ご本人が運転されます。
酸素ボンベは後ろに置き、私も後ろに一緒に座りました。

普段は軽自動車に乗られているそうなのですが、今回はプリウス。
いつもと違う車で、少し心配そうです。

いざ、はじまってみると、なかなか苦戦。
教官の指示が「~通り右行って、突き当り左」と一度しか言ってくれません。
なかなか1つの動作が終わった後、次の動作へと移れません。
また、駐車に関しても乗り上げが2回起きてしまいました。

終了後に気落ちされている様子を見て、
「普段と違う車で、違う状況でやっているから、難しいと思います」
とお伝えしましたが、ご本人は、
「これだけ落ちているとは思わなかった。そろそろ限界だね…」
少しさびしそうにそう仰いました。

せっかくだったので喜んで頂きたかったですが、
残念ながら逆の結果となってしまいました。

しかし、もし仮に今回行かれなければ、
納得した形で諦めることは出来なかったかもしれません。

ご自身で納得して諦めたのであれば、
次にどうしていこうかということも、
やはりご自身で決めていけるものと思います。

ご自宅までお送りして、お見送り頂く際には笑顔を見せて下さいました。
またのご利用をお待ちしております!

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