木更津のアウトレットで念願の「さかがみ家カフェ」
今日は。代表の小澤です。
本日、親しくしておりましたご利用者の小池さん(仮名)が亡くなられました。
会社を初めて1年ぐらいしてからお会いして、ご利用してくださるようになりました。
それから、もう8年ぐらい経つでしょうか。
最初は近所のクリニックから始まり、そのうち買い物が加わって、
少し遠出をするまでに。
毛呂山にて埼玉医大セカンドオピニオン。
看護師さんたちのご協力で念願の大阪のUSJ。
藤の花がお好きということで足利のフラワーパーク。
猫や動物が大好きで坂上忍さんがやっている木更津のカフェ。
追悼の気持ちで、最後にお出かけした木更津のことをブログに書きたいと思います。
________
出発の日は10月14日(金)。
小池さんの住んでいるさいたま市は、あいにくの曇空。
時折雨が降っていました。
大体、小池さんと出かける時は、晴れるので、
「珍しいね」
など言い言い、車に乗り込みます。
小池さん、ご自宅では普通の車椅子に乗られていますが、
高速道路に乗ったり、長時間になるときは、当社のリクライニング車椅子を使っていただきます。
この日もリクライニングに乗っていただき、車椅子を固定してから、背ばりを調整し、ご本人の体型に合わせたオーダーメイドに。
ちょうど良い、楽だなと感じるところまでリクライニングさせます。
この日は、木更津のアウトレットに行って、坂上忍さんがやっている「さかがみ家カフェ」に行きたいとのこと。
半年ぶりの遠出なので、
「わざわざ木更津まで行くのであれば、きっと買い物されたいこともあるのかな」
内心そう思って出かけました。
木更津といえば、東京湾アクアライン。
行きに「海ほたる」に寄って行くことに。
海に行くということで、スピッツの「渚」なんかを聞きながら、ドライブ。
首都高を抜け、アクアラインに乗る頃には、なんと青空が!
小池さんも久々の海を、気持ち良さそうに眺めていました。
海ほたるを後にして、木更津のアウトレットに向かいます。
私も初めて行くので、詳しくはありませんが、地図上はやたら大きいです(笑)
着いてびっくり、なんと目の前には遊園地みたいなアトラクションが。
そしてショッピングモールの脇を走ると一区画の長いこと。
「これはかなりの距離を歩くな…」
ゴクリと唾を飲み込みました。
到着したのは11時近く。
とにかくデカい!あと、お客さんは中国人が多いですね。
とりあえず、お目当ての坂上さんのカフェに。
最初に地図を確認。
200〜300メートルは歩いたでしょうか。
途中、何度も道を確認しました(笑)
あった!
実は、カフェに行きたいということは聞いていましたが、
カフェで何をされたいかは聞いておらず。
お聞きすると、
「ここで売っているフォッカチオを買って帰りたい」
とのこと。
「え!それだけでいいんですか?」
思わず口にしてしまいました。
わざわざ、さいたま市から木更津に行き、フォッカチオを買うだけとは…
恐るべし、小池さん…
お昼を食べ、少し見てから帰るとのことだったので、
お店の人に午後でも売り切れないか確認して、フォッカチオは最後に買うことに。
お昼はフードコートにて豚丼を。
普段は少食な小池さんですが、こういうときは欲張ります。
唐揚げ二個付き。
案の定、食べきれず。
「残りは食べて」
はいはい…
そして、ぐるっと回りましょうかとアウトレットの中を回ります。
枕が、飼い猫のムギちゃんに汚されてしまったので、買いたいと仰る。
3件ほど回って、一番安めのを買うのはさすがです。
他には何かありますかとお聞きすると、何もないと。
本当に何もないのですかと念押しすると、何もないと。
ただただ、フォッカチオのために木更津へ来れるとは、恐るべし、小池さん…
最後に、さかがみ家カフェに戻り、フォッカチオを注文。
少し時間もかかるとのことで、店内でコーヒーを飲みながら待つことに。
私は全然テレビを見ないもので知らないのですが、
「坂上動物王国」に出ている方がお店で接客してくれていました。
ぜひ一緒に写真を撮りたいと、小池さんから申し出が。
あの写真嫌いの小池さんが!
ということでパチリ。
うーん、自分と一緒に以前撮った時より嬉しそう…
まあ、喜ばれているからいいかと気持ちを切り替え、戻ります。
フォッカチオは大きいものを二つお持ち帰り。
いつも来てくれる看護師さんに、ご馳走したいとのこと。
こういうところは、本当気遣いがある小池さん。
冗談混じりで「僕の分は?」とお聞きすると、
「ない!あるわけないじゃん!」
と笑いながら答える小池さん。ふん!
帰りは、特に寄り道もせず、一直線。
いつも通り、運転し始めてすぐ、お休みになりました。
夕方、暗くなるぐらいにご自宅に到着。
リクライニング車椅子から車椅子に移乗のお手伝いをして、
いい匂いのするフォッカチオを運び込んで(笑)、
失礼しました。
________
これが最後の大きな外出になるとは思っていませんでした。
正直言って、かなりのショック。
小池さんと出かけるのはいつも気楽で、
肩肘張ることなく、笑顔で出かけられたなと思います。
屈託のない笑顔(写真の時は消えてしまいますが)。
理屈のない頑固さ(全く言うことを聞いてもらえない時あり)。
そして、分け隔てのない性格(関わっている人から好かれていましたね)。
楽しい思い出を本当にありがとうございました。
100年後ぐらいに、お互い生まれ変わった後、また一緒に出かけましょう!