三好春樹先生講演会(排泄ケア)
昨日は、三好春樹先生の講演会でした。
やはり、非常に面白かったです。
内容は「排泄ケア」について。
食事・排泄・入浴という三大ケアの一つです。
排泄ケアを大事にするとはどういうことか?
三好先生曰く、
「排便、排尿をトイレでおこなってもらうこと」
です。
その人が70年、80年と続けてきた排泄の「スタイル」を、
維持できるようにケアしていくこと。
そこに、真の意味での自己実現があるし、
尊厳をもつこともあるということです。
さて、その後少し具体的な話に入って、
現場でどのように排泄ケアに向かい合うのかについて、
話がありました。
それは、
「排泄最優先の原則」
「排便最優先の原則」
というものです。
この意味は二つあると三好先生は言います。
一つ目は、問題行動の原因を便秘に求めること。
徘徊、暴力・暴言、不眠、せん妄など、
BPSDとも呼ばれる認知症の問題行動の原因が、
実は便秘にある場合が多いとのことでした。
交流(コミュニケーション)が不足しているとか、
娯楽(レクリエーション)が足りないとか考える前に、
まず便秘になっていないか排泄表を確認すべきなのだと。
便秘が原因としても、便秘になる原因を考えなければならないので、
水分や食事、睡眠以外で問題がありそうな場合、
人間関係などを考える必要がありそうですね。
二つ目は、排泄を訴えたら、何よりも優先して介助すること。
その言葉通り、お年寄りから訴えがあったら、
すぐに介助!というものです。
三好先生が、
「排泄に関しては『ちょっと待って!』はいけない」
と仰られたのにはちょっとハッとさせられました。
現場で忙しくしていると、
ついつい何度も訴える方や、
この人は後でいいなと思う方の訴えは、
「ちょっと待って!」で済ませています。
それはいかんと。
また、本人が介助を訴えられない場合もあり、それは、
「便意・尿意→識別→判断→行動」
という流れのどこかでつまずていることがあるそうです。
まず便意や尿意自体は、認知症が進んでもなくならないものだそうです。
次に識別とは、この感じは便意なのか尿意なのか識別するということです。
それが分からず、ウロウロしているうちに排尿、排便してしまうと。
判断とは、どうしていいのか判断するということ。
どうしたらいいのか分からず、ウロウロしているうちに排尿、排便に到ってしまう。
行動とは、トイレに実際に行くということです。
どこにトイレがあるのか分からず探しているうちに、
排尿、排便してしまうと。
本人の長い生活習慣に合わせてトイレを用意すると、
ウロウロすることが少なくなるし、
またウロウロするなど本人特有の行動が出たら、
介護者が誘導してあげると失禁しなくてすむのだと。
うーん、ウンコ、シッコのケアも奥深いです。