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介護と看護

ナイチンゲールの代表的著作『看護覚え書』を読みました。

介護業界で著名な三好春樹先生が、
『介護現場が提案する新しい褥層ケア』の中で、
「ナイチンゲール精神を引き受けるのは介護職」
と指摘されているのを読み、興味を持ちました。

今から150年近く前に書かれた本ですが、
読むと驚くほど新鮮です。

清潔にするのは当然として、窓をあけて喚起しなさい、
保温のための暖房はこうしなさい、採光をしなさい、音を立てるな…
など、本当に具体的な行動を、具体的な理由をあげて説明しているだけです。

しかし、その記述を読んでいるうちに、
いい看護とそうではない看護が明らかになってきます。

一番心に残ったのは、観察の重要性を述べていた章(13、病人の観察)です。

「良い看護というものは、
 あらゆる病気に共通するこまごましたこと、
 および一人ひとりの病人に固有のこまごまとしたことを観察すること、
 ただこれだけで成り立っているのである。」

たとえば、患者は、何を、どのタイミングで、
どのような形態で食べたがっているのか、
良い看護婦はすぐに観察出来ると述べています。

よく似たような記述を、介護の本でも読みました。

認知症になると、排泄の失敗が起こりやすい。
しかし、良い介護をしているところでは、
認知症の方の排尿や排便のタイミングを理解している。
歌っている歌がが短調から長調に変わった時、
徘徊を始めた時、モゾモゾし始めた時など。

実際に、子育てをしていても、
子どもはまだ自分で主張出来ませんが、
きちんと観察していると、タイミングが分かるようになります。
うちの子の場合は、急に静かになり、動きが止まった時です。
それと同じことが介護でも出来るんだと。

上の記述の「看護」の部分を「介護」に、
「病気」を「障がい」に、
「病人」を「利用者」に変えて読んでみると、
ああ本当にそうだな、と思えます。

―良い介護というものは、
 あらゆる障がいに共通するこまごましたこと、
 および一人ひとりの利用者に固有のこまごまとしたことを観察すること、
 ただこれだけで成り立っているのである。―

この辺りに、三好先生の真意があるような気がしました。

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