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排泄ケアこそケアの根幹

こんにちは!代表の小澤です。今日は本のご紹介。

「お年寄りが要介護になっても、いかにしてウンコ・シッコを、トイレで気持ちよくしてもらうか」というのが、この本を貫くテーマでした。

というのも、よく介護業界で言われる「その人らしい生活」を支えるうえで、最重要な課題が排泄ケアと言えるからです。

その理由はいくつも挙げられていましたが、ぼくが印象に残ったものをあげると・・・認知症の問題行動の大半は便秘から起こるということです。
徘徊からはじまって、不眠、易怒、弄便…こういった認知症の問題行動の大半が、便秘から起こるという理由です。

便秘になるとイライラしますよね。
認知症の方自身は、自分が便秘しているということがわからない。
イライラするけど、自分自身で解決できない。
その結果、問題行動と言われる行動を起こすというわけです。

ぼくも先日、年一回の健康診断がありまして、採便をしなければならなくなりました。
どうも直前で食べすぎたせいで便秘気味だったのですが、出さなきゃと思うとなぜか出ない。

うーん苦しいなと思うと、夜もなぜか目が覚めやすくなる(不眠)。
子どものささいな言動にイライラしてくる(易怒)。
大腸に圧迫されているせいか、オシッコも近くなってソワソワしてくる(徘徊?認知症で、便秘が原因だとわからなかったり、トイレの場所がわからなかったりしたら、たぶんぼくも徘徊していたと思います)。

で、結局健康診断の日までは間に合わなかったのですが、今回からはバリウムを飲むことになり、下剤入りのものを飲みました。

二~三時間後に出るわ出るわでしたが、すっきりしたかは不安なところ。
下痢のあとって、何だか逆に便秘気味になりますよね。
案の定、また二日ほど全く出ません。

それでも頑張って野菜食べて、水分とって、食後になるべくトイレに座って…やっと出たあ!
そうしたら、こんなに自分のことを苦しめていた便の様子が気になるんですね。
どんなもんなんだろうと見てみる。(弄便?認知症になっていて何だかよく分からなかったら、自分のことを苦しめていたものを掴んでみるかもしれない…投げつけるかもしれない…この解釈はちょっと無理があるか?)

ちなみに、見てみたら白いものがまだ混じっていたので、下剤で流れ切らなかったバリウムが蓋の役割をしていたんだとわかりました。

これは、ここ一週間ぐらいの話ですが、自分自身の経験を通じても、排泄ケアの重要性は肌身で感じました。

よく施設では、便秘になったら下剤や浣腸で解決しようとします。
医学的には、便が出るということは達成されます。

でも、どちらも自分自身の排便する力(直腸の収縮力と腹圧)を弱めてしまいます。
また、下剤は新たな便秘を誘発します。そもそも下剤も浣腸も、気持ちよくありません。

そうすると、認知症の方は、また問題行動を起こしてしまうわけで、本人にとっても、職員にとっても、本質的な問題の解決にはならなあいわけです。

じゃあ、どうすればよいのか、という具体的な方法論がこの本に書かれています。
「ほおお…そんな方法があるのか!」と目からウロコの話もありました。
詳細はぜひ本書を読んでみて頂ければと思いますが、一番大切だと思われる内容を本文から引用します。

それは…

「老人が便意を訴えたら、他の何をおいてもトイレに座ってもらうことを介助する」

ということです。

著者のお一人、三好春樹先生(介護業界ではレジェンドなので先生をつけます)は、これを名付けて「排泄最優先の原則」と言われています。
そのためのアセスメントの方法や、介助の方法、コツなどが書かれています。

三好先生は、本書の中で、

「私は、排泄ケアのことを書かれていない認知症の本は一切信用しません」

とまで言い切られています。
それぐらい、認知症のケアにとって、排泄ケアって大事だということなんですね。

ぼく自身、今回の便秘騒動(一人、心のなかで騒いでいただけではありますが)で、改めて排泄ケアの重要性を感じました。

「よい介護」を考えていく手始めに、おススメの本だと思います。

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